くろログ

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【映画】『待ちきれなくて…』感想(ネタバレあり)

体験したわけではないのに、見たり聞いたりすると懐かしいって思うことってありますよね。

何でなんでしょうか。

映画『待ちきれなくて…』も私にとってそんな風に思わせてくれるもののひとつです。

 

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1.あらすじ

ハイスクール最後の夜の親の居ぬ間のパーティーが舞台。

それぞれの思惑を胸に卒業生たちがやってくる。 

 

4年間想いつづけた学園のプリンセス、アマンダ(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)に告白しようと、翌日東海岸に旅立つ予定のごくフツーの学生プレストン(イーサン・エンブリー)もパーティーにやってきた。

 

アマンダは、4年間付き合っていたジョックのマイク(ピーター・ファシネリ)に振られたばかり。

 

プレストンにいやいやながら連れられて来られた親友女子のデニース(ローレン・アンブローズ)と、童貞を卒業しようとパーティーにやってきたケニー(セス・グリーン)は幼なじみ。

 

ハイスクール一の秀才のウィリアム(チャーリー・コスモ)は、いじめつづけられたマイクに復讐しようと企んでいる。

 

2.感想

1.それぞれの想い

アマンダとプレストン

アマンダは4年間付き合ったマイクに振られた直後。

「つきあって4年。ほとんど永遠。」

とアマンダが言うように、高校の4年間なんて当時ではほぼすべてですよね。

(日本だと3年間ですが。)

おわりが来るなんて考えもしない。

ずーっとマイクの彼女として過ごしてきた。

みんながマイクの彼女としてしか見てくれず、自分自身を見てくれていない。

これでいいのか悩んでいたんですよね。

マイクの彼女としての自分ではなく、本当の自分や自分の居場所を探しているんです。

 

それを端的に表しているのが、進路。

6人のメイン登場人物のうち、アマンダ以外の5人はそれぞれ大学に進学することが決まっている。

アマンダだけは、進路が未定。

悩んでいるんですよ。

今までの自分は、これでよかったのか。

これから、どうしていけばいいのか。

 

でも、プレストンの手紙を偶然手にしたアマンダは、

自分のことを本当に想ってくれている人がいることに初めて気づくんです。

  

ほかの多くの人は体目当てだったりする中で、

ちゃんと自分という人間をみてくれているっていうのは、思いのほか心に響きますよね。

 

デニースとケニー

ケニーは、ハイスクール入学後、それまで仲が良かったデニースを「幼なじみなんてダサい」的思考から避けます。

デニースも、黒人気取りで勘違い野郎であるケニーに近寄ろうとはしません。

4年間、話もせず反目しあっていた関係です。

ケニーはデニースのロッカーに悪口書いたり、デニースはケニーを「樹木フェチ」って呼んだり。

 

ただこれ、表面上だけなんですよね。

お互いに気になる関係であるにも関わらず、素直になれなかったんですよね。

実は一番長く一緒に過ごしてきて、一番お互いを知っていて、一番安心できる関係だったのが、ケニーにとってはデニースであり、デニースにとってはケニーだったんです。

 

だからこそ、トイレに閉じ込められて二人きりになったことで、今まで話せなかったことを話すうちにそれに気づいた。

 一番近いところに、自分にふさわしい人はいるってことはよくありますね。

  

2.はざまの状態

ハイスクールは卒業したけど、まだ大学生ではない、という言わばはざまの状態。

昨日までは、ハイスクール内の階層で生きてきた。

明日からはそれぞれの未来に進み、分離された同一の階層内で生きていくことになる。

 

今日、この一日だけは それがあやふやになっている状態なので、

いままですれ違ってきた異なる階層のこどもたちの出会いが成り立っている。

 

特に、ジョックス(体育会系)であるマイクと、ブレイン(ガリ勉)のウィリアム。

マイクにいじめられ続けてきたウィリアムは、復讐しようとパーティーに参加したはずだった。でも、アマンダに逆に振られて落ち込んで弱音を吐いているマイクを見て、マイクにも弱くて人間的な部分があることに気づいてしまった。マイクは強がっているだけなんだと。

ここで今まで生まれなかった友情が芽生えます。 

ウィリアムは自分の仕掛けた罠の方にマイクが行かないようにしたり、マイクは警察に捕まったときにウィリアムは悪くないと証言したり、ふたりはお互いを尊重しあっていることがわかります。

映画ではなくても、あまり好きじゃない人でも、弱いところを見せられると、ふっと親近感がわいてくることってありますよね。

 

ただ、この友情もこの一日だけ。

翌朝になると元に戻ってしまいます。

あやふやだった階層がもとに戻ってしまうんですね。

パーティーの一日だけ、あの時だけの儚い友情です。

 

3.印象深い脇役たち

6人の登場人物が中心となってストーリーが進みますが、

随所にでてくる脇役たち(というより端役たち)がいい味だしてるんです。

最後のクレジットロールで、卒業アルバムの写真が出てきますが結構みんな覚えてるんですよね。 

端役まで細かくキャラを作ってあるのがすごい。

細部まで考えられていることで、映画としてもリアリティがでてきます。

 

この脇役たち、結構ほかの学園ものに出演している俳優・女優だったりします。

その一部をご紹介します。 

クリス・オーウェン

  『アメリカン・パイ』のシャーミネーター。随所でいろんなものを盗んでます。

メリッサ・ジョーン・ハート

  『サブリナ』主演。卒業アルバムにクラス全員のサインをもらってる。

クレア・デュバル

  『パラサイト』のゴスっ娘。ダンスアレルギーでケニーを振る。

ジェリー・オコネル

  『スクリーム2』彼氏。マイクに暗い未来を告げる伝説の先輩。

セルマ・ブレア

  『クルーエル・インテンションズ』。ブランコでマイクを振る。

リブ・タイラー

  『エンパイアレコード』。卒業式に足だけ出演。

ジェイソン・シーゲル

  『40男のバージンロード』。スイカ食べてます。

 

4.おわりに

ジェニファー・ラブ・ヒューイットのキュートなナイスバディーがたまりません。

それ目当てでも男子は楽しめそうかな。 

 

そんなに素敵な高校生活を送ってきた記憶はないけど、高校時代はよかったなぁと思い返させてくれますね。青春っていいなぁ。